キト(CNN) エクアドルで同性愛を「治療」すると称して入所者を虐待するクリニックが乱立し、政府が摘発に力を入れている。
同性愛者であることを公言しているパオラ・コンチャさん(28)は5年前、家族の要請で自宅から強制的に連れ去られ、首都キトの郊外にある施設に連行された。そこで1年半にわたって拘束され、長期間にわたって手錠をかけられ、何日も食事を与えられないなどの虐待を受けたという。
政府当局によれば、こうした施設がこれまでに何十件も見つかっており、拷問や人権侵害が横行しているとの証言も相次いだ。コンチャさんが入院させられた施設は昨年12月以降、当局が2度にわたる捜索を行って40人を解放。人権侵害の疑いで閉鎖に追い込まれたという。
コンチャさんはこうした施設の摘発を求める運動の先頭に立ち、同性愛者の権利保護団体と協力して啓発活動を展開。政府も摘発に力を入れており、昨年7月以降、30施設を閉鎖させたという。
同性愛者の権利擁護活動で知られるカリーナ・バンセ氏が1月に保健相に任命されたことも追い風となり、同氏の就任後、キト周辺で既に3件の捜索が行われ、数十人の女性が救出された。
保健省の広報は、エクアドルでは同性愛を疾病とは認めておらず、従ってその「治療」は違法だと言明している。
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