■ゲイニュース:現代の遊郭・飛田、ゲイタウン・堂山 ディープな世界の共通点
年末年始、ほとんどのネオン街が店を閉め閑散とする中、いつも以上ににぎわう"盛り場"が大阪市内にある。遊郭の面影をとどめる飛田新地(西成区)と、西の"ゲイタウン"として有名なドーヤマ(北区堂山町)だ。ともに知る人ぞ知るディープなスポットで、正月休みには口コミやインターネットの情報をもとに地方からやって来る客が増えるが、関係者によると、それでも商売の方は年々落ち込んでいるという。(高田清彦)
会社や事業所が正月休みに入るのは12月29日。仕事始めは普通なら1月4日の金曜だが、この日を休みにして1月6日の日曜まで9連休というところも多いようだ。
大阪を代表する繁華街の北新地。代表的な業種であるクラブやラウンジ、バー、スナックなどは、主な客層である勤め人の日程に合わせて休みを設定するので、この年末年始は1週間以上の"大型連休"という店も多い。
老舗のバーの店員はこう話す。「ほとんどの店は4日は休みで、7日の月曜から営業と思う。昔は仕事始めには会社で振る舞い酒が出て、その流れでもう一軒もう一軒となり客が来たが、不景気の今は会社もそんなことをしなくなり、店の方もたる酒などを置かなくなった。正月の雰囲気も薄れたし、そんな中で4日から無理して開けても、客は来ないでしょ」。
新地という「特別の街」とは違う、キタやミナミの一般の飲み屋や食べ物屋の場合、こんな長期休業は稀だが、それでも30日ごろから元日、長いところで3日ぐらいまでは休みとなる。風俗店も同様だ。
そんな中、約150軒の料亭が軒を連ねる飛田新地では少し事情が違い、大みそかはもちろん、三が日も営業している店がある。飛田新地料理組合によると、いつ休業するかなどは各店に任せているという。
「おにいちゃん、おにいちゃん、ちょっと」「ほら、こんなかわいいコ。寄ってってちょうだい」
なまめかしいピンクの明かりが漏れる料亭の玄関口。上がり框(がまち)に座った曳き子のおばさんが通りを行く人たちに声をかけ、その横に座った女の子がニコッと微笑む独特の光景は、年末年始も変わらない。
いつもと違うのは、訪れる車に他府県ナンバーが目立つことだ。全国的にも知られる飛田を"体験"しようと、休みを利用してやってきた人たちで、若い男性のグループも目立つ。
「この時期、地方から来る人は確かに多いですね。GWの時期もそうですが、以前は高速道路が一律千円だったときも増えました。今はインターネットなどで知り、やって来るみたいですね」。飛田新地料理組合の関係者はこう話す。
この時期は「迎春」と書かれた提灯が各店頭や街頭のポールにずらりと吊るされ、なかなか情緒がある。「提灯は正月を迎えるに当たり、にぎやかにやろうということで毎年出しています。それと街並みを明るくし、防犯防災の意味でもつけています」(先の関係者)。
平成23年に発売されたノンフィクション「さいごの色街 飛田」(井上理津子著、筑摩書房)が話題になったこともあるのだろう。その後、飛田新地のことを書いた本や特集を組んだ雑誌が相次いで刊行され、書店に並んだ。
これはかつてないことで、本を読んで飛田新地に興味を持つようになった人もいる。「店に入る勇気はないが、街並みは一度見てみたい」。そんな声も聞いた。静かにひっそりと営業を続けてきた飛田新地をめぐる小さな"変化"かもしれないが、それでも商売の方は年々落ち込んでいるという。
一方、ドーヤマ(堂山)は飛田とはまったくタイプの違う街であるが、こちらも地方から車などで来た人たちでにぎわう。
ゲイたちが勤めるバーやスナックが集中するのがここ。"ハッテン場"となるスポットも多く、年末年始は全国からその方面の男性たちがやってきて盛り上がる。
誤解のないように言うと普通の店もあり、一般の客もいるのだが、目立つのはそういう人たち。年末年始には音楽がガンガン鳴り響くオールナイト営業のゲイバーが大入り満員となり、店の前や通りで男性同士が座り込んで朝まで話す光景もみられる。
ただ、昔の堂山を知る事情通によると、10年余り前に比べると、店は減り、集まる人も少なくなり、活気はなくなったという。「堂山はいまいちと聞き、連休などには(東のゲイタウンの)新宿2丁目に向かう人も多いようだ」。
飛田新地と堂山。特定の人たちを引きつける特別な街の風景も、景気や時代の流れに左右され、少しずつ変わってきているようだ
掲載元:ヤフーNEWS
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