前編でもご紹介した通り、明日4/29に東京・代々木公園を起点にLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)を中心に、多様な生き方を肯定する人々が集まる「東京レインボープライド」というイベントが開催される。
浜崎あゆみさんを始め著名人の支持も多く、日本史上最大規模のプライド・パレードになる可能性が高いにも関わらず、主催者は決して満足していない。
「海外の人から『なんで世界的な大都市なのに東京ではこんなに参加者が少ないんだ』とよく言われるんです」という主催者の表情には忸怩たる思いが滲む。
それもそのはずだ。世界では一般的になってきているプライド・パレードはNYでは190万人、サンパウロではなんと250万人を集客している。近隣アジアでも台湾で5万人規模のパレードが行われている。都市の規模を考えると5千人集まっても主催者としては物足りなさが残るというのは当然だろう。
なぜ日本には根付かないのだろうか。
「あくまでも個人的な仮説ですが」と断った上で主催者は言う。「高度経済成長時代に出来上がった『普通みたいなもの』、つまりお父さんが働きお母さんが家にいて、子どもたちがいるという生き方の枠から広がっていけないでいるのではないでしょうか」
従来の枠から抜け出せないという現象は家庭にだけ留まらない。企業も同じ問題を抱えている。
「米『フォーチュン』誌の世界トップ企業100社のすべてが今年からLGBT差別撤廃を謳うようになりました。それに対して日本の企業で明言しているところはわずかです」
このことは今回のイベントの協賛スポンサーからも見てとれる。グラン マルニエ、アウディー、レッドブル、ジョルジオ・アルマーニ、並ぶ名前はほとんど外資系だ。
「外資系企業に話をしにいくと『ああ、プライド・パレードね』とすぐに話が通ずるのですが、日系企業はどこも門前払いでした」
世界ではLGBTに対する理解があるかないかで「ソフィスティケーション(文化的洗練度)」が計られることもあるというが、実は文化や人権の問題だけでもない
ある調査によると、LGBT市場は年間6兆6千億円にも及ぶという。国内酒類の市場規模がおよそ6兆円ということからも、いかに大きなマーケットかは想像がつく。
高度経済成長時代の成功体験が強烈だっただけに日本企業は既存の枠からなかなか飛び出せず、この宝の山さえも門前払いしてしまっている状態だ。しかしダイバーシティー(多様性、多様な価値観)を受け入れずには新たな成長が見込めないのは間違いない。
だとすれば多様性に対する許容は日本全体の問題でもある。
LGBTといっても、そのほとんどはドラッグクイーンやオネエタレントのようなドギツイ人たちではない。どこにでもいる普通の人で、たまたま性的嗜好がマジョリティーと違うというだけの人たちだ。
そのことで差別を受けたり、苦しんでいる人を放置するというのが現在の日本の下す選択なのか。
とはいえ肩肘張る必要もない。目玉焼きに醤油をかけるか、ソースをかけるか、塩コショウで食べるかで人々が互いの間に垣根を作らないのと同じよう、性的嗜好の違いで大騒ぎしない社会こそが本当にソフィスティケート(成熟)した社会なのだろうから。
4/29、代々木公園でお祭り騒ぎを楽しむことこそが、日本社会の成熟の未来を垣間見ることなのかも知れない
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