魅力的な「僧侶」をフィーチャーした書籍が注目を集めて、出版社には問い合わせが殺到しているという。
書籍のタイトルは「美坊主図鑑」(廣済堂出版)。2012年2月末に出版された。著者は「日本美坊主愛好会」。「イケメンから癒し系、クリーミー系まで東西僧侶40人」とサブタイトルが付いている。
■「下北沢系元俳優BOZE」「高野山のラブリー系」
これまで寺社仏閣巡りなどをテーマにした書籍はたくさんあったが、現役の僧侶を扱った書籍というのは珍しい。前書きによると震災後、自分の将来などに不安を持つ女性が増えている。「お坊さんは、身近なあなたのカウンセラー」とし、日本全国の「イケメンお坊さん」「お兄さん系お坊さん」を紹介している。「会いに行ける僧侶」ということなのだろう。
20代から40代までの比較的若い世代が多く、浄土真宗や真言宗、日蓮宗などの僧侶が登場する。「高野山の下北沢系元俳優BOZE」「航空自衛隊出身のクリーミー系」「ボクサー兼僧侶」「写経を教える高野山のラブリー系」「落語と映画を愛する近江のイケメン僧侶」と、興味深いキャッチフレーズが並ぶ。
僧侶だといっても、元々は普通の人間だ。高野山真言宗の僧侶(29歳)は、趣味がギター。メタリカやスレイヤーといった激しいスラッシュメタルが大好きなのだそうだ。僧侶になる前は、ピンク色の長髪だったという。ほかにも、元建築士で、iPhone、iPadなどのアップル製品が大好き僧侶や、趣味が宝塚観劇という僧侶もいる。
■早くもお姉系タレントのTV番組に出演決定
僧侶たちの語る言葉も、決して難解なものではない。「裕福になること、生活が楽になることが即幸せにはつながりません」「相手に愛情を求めてばかりいては、本当の愛は得られません」など、余裕がなくなっている今の世の中だからこそ必要な言葉ばかりだ。
廣済堂出版の担当者によると、この1〜2年、女性の婚活市場で経済的に安定している僧侶が注目を集めている。「草食系男子」のような癒し部分もあるのが魅力なのだそうだ。
書籍を作るに当たっては、僧侶に登場してもらうのが大変だったという。
「仏教というのは凄いヒエラルキーの強い世界。本人が出たくても出られない宗派もありました。たくさん断られましたね」
と語る。発売されてからは、新聞やテレビなど、マスコミからの問い合わせが殺到しているという。初版1万部で、早くも増刷が決定した。
また、イケメン僧侶はゲイの人々にも受けがいいようだ。本書に登場した僧侶にテレビ局からオファーがあり、お姉系タレントの出演する番組に出演が決定したという。
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